硫酸水溶液における白金上での一酸化窒素,亜硝酸,および硝酸の電気化学的挙動を,静止電極,回転円板電極,および回転リングディスク電極を用いて研究した。4~5mol・dm
-3硫酸での亜硝酸の還元の電流電位曲線には,3段の還元波が見られた。一酸化窒素の還元の場合には亜硝酸の第二および第三還元段階に相当する2段の還元波が見られた。回転リングディスク電極を使った実験より亜硝酸の第一,第二,および第三還元段階で,それぞれ,一酸化窒素,亜酸化窒素,およびヒドロキシルアミンがおもに生成することが,確かめられた。亜硝酸共存下での硝酸の自触媒的カソード還元反応の機構として,途中に一酸化窒素の生成反応を含む機構(Schmidの機構)が,回転リングディスク電極を用いた実験より支持された。
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