日本文学科では,2014 年度から始まった新しいカリキュラムにおいて,初年次セミナー科目「基礎ゼミⅠ」を導入した.この科目では,学生に大学教育への適応を促すとともに,調査と口頭発表のスキルを中心に,日本文学科での学習の基礎を着実に定着させることを目指した.その目標を達成するために,授業担当者は授業期間内に6 つの課題を設定,共同して教材開発を行った.
現在の日本において,大学教育の意義や有効性に対する社会の視線は厳しさを増している.だが,今回の日本文学科の試みは,いたずらに新自由主義的な経済界からの要求に迎合するのではない人文学のあるべき教育の姿について,教員が自らを問い直すきっかけともなった.
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