現在の武道領域の授業では、剣道や柔道など種目の系統的な「技」を学ぶことが主な「技能」の学習内容となっている。そのため、武道領域の各種目はともに日本古来の武術・武芸を起源としながら、「技能」の学習内容としては全く共通するものがなく、運動学習としてはそれぞれが関連のない独立した種目として捉えられている。本発表では、現在の剣道授業の課題に目を向け、「かけひきの動き」に注目した学習内容の整理と、それをもとにした授業実践の成果を踏まえて、武道の「動き」というキーワードに着目に注目しながら「剣道や柔道などの武道領域に共通する技能の学習とは何なのか」という命題について検討を加える。また、「武道の動き」を中核にした学習を想定することにより、小学校段階からの武道領域の系統的な学びを構築する可能性についても考察を試みることとする。
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