ラット第III脳室内へ, 神経ペプチドの1種であるソマトスタチン (SRIF) とそのanalogを投与し, 行動異常, けいれん, 脳波異常が惹起されることを確認した。SRIFのanalogとしては, N端がチロシンに置換されたTyr
1-SRIF, 中央部のトリプトファンをチロシンに置換したTyr
8-SRIFのほか, 内因性に存在し, SRIFと同様の活性を有する, より大分子 (アミノ酸28個) のSRIF28を用い, 構造と活性の相関を検討した。1) けいれん発現はSRIF, Tyr
1-SRIF, SRIF28投与でそれぞれ18%, 25%, 33%であった。その他, いずれのペプチドの投与でも異常回旋運動, 無動, 脳波異常が出現したが, SRIF28が最も強い活性を有していた。2) 活性がないとされるTyr
8-SRIFでは異常はみられず, けいれん発現にSRIF中央部のアミノ酸構造が重要と思われた。以上の結果から, SRIFが構造特異的にけいれん惹起性を有することが示唆された。
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