2006年の高校
化学グランプリ
二次選考では,これまでに出題されたことのない領域から作題すると同時に,有機化学や無機化学ではなく,物理化学の分野として捉えられる問題を作成した。実験そのものの技術や得られた結果から本質を洞察する能力を判定するものである。昨年度までに比べ1時間長い4時間という時間の制約と,わずかな試料という分量の制約条件の下,どれだけ問題の本質に近づけるか,生徒によって「疲れたけど,楽しかった」という感想と「退屈だった」という感想に意見が分かれるものであった。一次選考得点と二次選考得点の相関について,すべての二次選考受験者については二次選考得点と総得点の間にのみ良い相関が見られたが,優秀者に限ると,一次選考得点と二次選考得点,および一次選考得点と総得点の間にも良い相関が見られた。これの意味するところは,一次選考があまりよくない結果でも二次選考でかなり上位に食い込むことは可能ではあるが,優秀者になるためには一次選考,二次選考のいずれも,かなりできる必要があるということである。
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