膵癌切除症例41例の切除標本のパラフィン包埋ブロックから, Flow Cytometryを用いて核DNA ploidy patternおよびS期分画(SPF)を解析し, 予後との関係を検討した.
DNA Ploidyは, Diploidy:31例(75.6%), Aneuploidy:10例(24.4%)であった. 術後の生存期間は, Diploidy群で497.5±67.5日であり, Aneuploidy群の252.1±58.6日に比べ有意に長期であった. SPFの平均値は, Diploidy群で9.0±6.2%であり, Aneuploidy群の14.6±7.6%に比べ有意に低値であった. 術後1年以内に死亡した24例は11.5%, 術後1年以上2年以内に死亡した13例は9.5%, 術後2年以上生存した4例は6.3%であり, 長期生存例ほどSPFは低値を示す傾向にあった. 術後2年以上, 生存し得た4例はいずれもDiploidy, SPFはいずれも7.7%以下であった. Diploidyであり, SPFが低値であることが長期生存のためには必要条件と考えられる.
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