今までの読みの指導では後半に語られる「僕」の心情をいかに読み取るかであった。今回、授業者が〈第三項〉論をふまえ、本作品を客から話を聞き取った「私」が全てを語り直していると捉え、実践した授業の様子を報告した。〈語り手〉〈私〉を構造化すると視点人物の「僕」が語ることを相対化して読むことができる。授業後「僕」がいかに自分の認識に囚われているのか、を問うことが授業者にとっての課題だと考える。そうすると「私」の批評は「僕」の生き方の問題となり、読み手自身の認識の問題となる。
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