喉頭の神経鞘腫は比較的まれであり, 喉頭内で仮声帯以下に発生した場合は外切開が適応とされてきた. 今回, われわれは声門下まで伸展した病変に対し ELPS を用いて経口的に摘出し得た症例を経験した. 症例は52歳女性, MRI では右仮声帯から声門下まで伸展する境界明瞭な腫瘍性病変を認めた. 神経鞘腫を疑い経口的腫瘍摘出術を施行した. 気管切開後に彎曲喉頭鏡を用いて喉頭展開後に右仮声帯粘膜を切開し腫瘍を露出させ被膜に沿って一塊に摘出した. 病理検査では神経鞘腫と診断された. 彎曲喉頭鏡を用い広い術野を確保し, 高解像度の内視鏡画像下に手術操作できたことが, 本症例のような声門下伸展を伴う喉頭内腫瘍を摘出し得た要因と思われた.
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