我が国で公共事業等の構想段階を念頭に組み立てられた計画プロセスを議論の出発点として,改めてその特徴を考察するとともに,その考え方を参考に他の計画段階を含むより一般的なプロセスとして体系化することを目的とし,技術検討プロセス,計画検討プロセス,コミュニケーションプロセスという3つの並行するプロセスを提案した.そしてそのような並列的なプロセスが何故必要になるかを,市民参画の導入経緯との関係等で論じた上,妥当要求の考え方を応用しつつ,計画が社会で正当とみなされるために必要な条件を満たし,市民等から示される様々なクレームを適切に整理して対応するため,3つのプロセスによる計画策定の進行管理とリスク管理が必要になることを体系的に論じている.
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