本稿は、企業の経営意思決定に必要とされる重要な税務情報のインテリジェンス化に着目し、事業の競争環境を探知する一連の理論と手法であるコンペティティブ・インテリジェンスを企業の租税政策へ援用し、その不偏的フレームワークのモデル化を意図している。しかしこの分野での先行研究は少なく、税務はブラックアートの部分も存在することから、手法として、ヒューリスティクアプローチにより、問題を発見的に探査しながら研究の目的に迫る。また単に従来ある節税の観点からでは問題に到達することができない。したがって近年注目されつつある超領域的研究、すなわち既存の諸科学の知見を相互に自由に統合し、既存の学問体系の枠組を超え新しい学問の体系を生じさせる研究と位置づけ、タックス・コンペティティブ・インテリジェンスを学問領域とする新たな地平を開拓する。
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