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クエリ検索: "南山の戦い"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • ――時局の中の川柳と俳句――
    田部 知季
    日本近代文学
    2018年 99 巻 33-48
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2019/11/15
    ジャーナル フリー

    本稿では、従来看過されてきた短詩形文学と日露戦争の関わりを、井上剣花坊と河東碧梧桐の動向に即して検証した。剣花坊の川柳革新は『日本』の「新題柳樽」欄を舞台に展開し、戦争の時流に乗って躍進する。その中で彼は既存の「文学」に欠ける「滑稽趣味」を拠り所に、川柳というジャンルを「興国的文学」として価値づけた。一方、戦時下の俳壇では国威発揚を企図した「武装俳句」が試みられるも、実作上の成果を得られずにいた。他方、従軍の計画が頓挫した碧梧桐は、安易に俳句を戦争と結びつけることなく、自立的な「文学」としての俳句像を堅持した。彼はそうした反動の延長線上で全国行脚へ乗り出し、新傾向俳句を鼓吹することとなる。

  • 田山花袋作『田舎教師』を読む
    勝又 正直
    社会学評論
    1998年 49 巻 1 号 21-41
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    日本自然主義文学の代表作, 田山花袋の『田舎教師』には一枚の地図が添えられていた。この地図にはどんな意味があったのであろうか。 当時, 地図が担った意味を知るために, 我々はいったん検定地理教科書から国定地理教科書への変遷をみてみる。その結果, 地理的な地図が, 国家の上からのまなざしをもつものとして登場してきたことを知る。花袋は『田舎教師』でこのまなざしを採用し, 主人公を地図の上に置き移動させた。この操作がこの小説中の時間と空間とさらに描写を成立させている。花袋はこの見方を日露戦争の従軍体験から得ていた。このまなざしの下, 一地方の青年は日本国家の一臣民として把握された。その結果主人公の悲劇は国民全体の共感を喚起するものとなり得たのである。
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