本研究では、企業における防災教育や訓練を主とした防災への取り組みの実態と課題について、
その解決のために参考となる取り組みやいくつかの先進事例をもとに明らかにした。
自然災害によって被害を受けた経験のある企業が多いにも関わらず、防災への取り組み状況は、
学校や地域における防災への取り組みと比べて進み方が遅く、企業規模が小さくなるとその傾向
が強い。専門家を含めた人員の不足などが原因とされ、取り組みを進めている企業においても、
従業員への防災教育が課題であるとしており、専門家の養成・配置による取り組みが必要である
ことが分かった。また、ハザードマップの活用やe- ラーニングなど新しい防災の教育技法を取り
入れるためにも専門家が必要である。
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