指導計画の作成にあたり,技術的課題解決力を育成するためには,技術的課題の難易度を次第に上げることが重要である。しかし,技術教育固有の各対象で扱う内容の違いが原因となり,技術的課題の難易度と生徒の技術的課題解決力とが適合しないことがある。本研究の目的は,技術科教育関係者が全ての対象で重視する指導内容に着目し,技術的課題解決力と難易度とを適合させて指導計画を作成するための段階案を作成することである。重視する指導内容を明らかにするため,現職教員ら259名にアンケート調査した。その回答をクラスタ分析した結果,「安全管理,技能,技術活用の能力」「基礎となる知識」「技術的な問題設定と設計・計画」「技術の影響評価」「設計の要素に関する知識・技能」「創造性」の6クラスタに分類した。次に,これらのクラスタと問題解決のタキソノミーとを組み合わせて,技術的課題解決力と難易度とを適合させるための段階案を作成した。
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