最近我々は、π電子-プロトン相関型有機伝導体であるk-H_3_(Cat-EDT-TTF)_2_(H-TTF)において、室温から非線形なI-V特性が現われ、185K以下で負性微分抵抗を示すことを見出した。この特異な現象について知見を深めるために、今回、TTF骨格の一部の硫黄原子をセレンに置換したk-H_3_(Cat-EDT-ST)_2_(H-ST)や、水素結合部の水素を重水素置換したk-D_3_(Cat-EDT-TTF)_2_(D-TTF)などの類縁体の非線形伝導特性を調査し、その起源を考察したので報告する。
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