Glomangiomyomaは爪甲下に好発するGlomus腫瘍の亜型の一つであるが,口腔領域では極めて稀で,上唇正中部に多くみられ無症状の経過を示す。治療は外科的切除が推奨されており,再発は少なく予後も良好である。
患者は61歳の男性。約2か月前から上唇正中部の腫脹を自覚していたが,緩徐な増大傾向を示したため精査を目的に当科を受診した。正常粘膜下に直径5mmの境界明瞭で弾性硬の小腫瘤を認め,翌週には直径10mmまで急速に拡大した。MRIおよび超音波画像検査にて上唇の粘膜下の領域に境界明瞭な10mmの病巣を認めた。小唾液腺腫瘍の臨床診断にて切除生検を施行した。病理組織学的検査と免疫組織化学的検査にてGlomangiomyomaと確定診断した。
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