ホームネットワークを構成する技術要素を概観し,その発展経緯と現状について概説するとともに,多数存在する関連標準化団体の位置付けを理解するための指針について述べる.ホームネットワークは様々なアプリケーション領域をカバーするため,異なる技術からなる複合的なシステムとなり,数多くの要素技術が必要とされるのに加えて,これらを一つのシステムとしてまとめ上げる技術が必要となる.機器間の接続技術や機器を標準的な手続きで使えるようにする技術とともに,ソフトウェアを維持管理したり,外部のサービスと連携して情報を得たりする仕組みの実現が必要とされる.関連標準規格は極めて多岐にわたるが,幾つかの観点で活動を捉えれば互いの関係は理解しやすくなる.近年はエネルギーマネジメント関連のアプリケーションに特化したスマートハウスの議論が盛んになっているが,コストの面から考えても多くのアプリケーションに対応できるホームネットワークシステムの実現が重要である.
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