知的財産立国がスタートして本年で10年になる。しかし、理念とする知的創造サイクルは回っておらず、研究開発投資は、事業化段階になると海外企業に席巻され投資回収や利益に結びつかず、重点目標の知財人材育成や国民の知財意識(知財感度)の向上も改善されていない。この根本原因は、知財が商品価値やブランド形成手段として直接機能しない『知財と商品の乖離』にあると考える。そこで、商品価値を形成する知財に知財コードを付与して商品に関連付けて分かりやすく開示することにより、国民が身近な商品を通じて知財使用の有無を容易に判断できる市場によるフィードバックの仕組みを構築することにより、知財意識の向上、ニセモノ排除、重複開発の削減、知財品質の向上、知財価値評価の適正化、利益確保やブランド価値の向上を図る知財ブランドモデルを提唱し、世界に範たる知財立国達成に貢献する。
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