敗戦直後の青年会活動は戦前の活動の延長線上にあった。青年会
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も同様であり,長野県下伊那郡上郷村では,戦後,青年会に
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運営が委託されたものの,
図書館長には国民学校長が充てられるなど戦前の図書館
運営を踏襲していた。ところが,上郷
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に村の診療所が併設され,青年たちの
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活動は大きな制約を受けることになった。この頃青年会では自主的な
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運営をめざすべきだとの議論が起こり,青年たちは
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を自らのものとし,
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を診療所から独立させるための運動をすすめることになった。青年たちは,
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を本来の姿に取り戻すため,民主化運動の一環としてこの運動をとらえ,
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長の選任についても議論を重ね,
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規程を改正するなど自主的な管理・運営体制を実現した。また,青年たちはこの運動をとおして,
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の運営主体であると同時に,
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を維持・発展させるため,自ら読書をしたり議論し交流する場を求める,いわば利用者としての主体を形成していく必要性を明らかにした。
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