愛知県は交通事故死者数が令和元年に 17 年ぶりに全国ワーストを脱却したが、今後更なる安全な道路交通環境の実現に向け、関係機関の一層の努力が求められている。本研究では、信号のサイクル長が長いことに起因して渋滞が発生し、これに伴う生活エリアへの通過交通により危険性が高まっている箇所を対象にサイクル長の短縮について検討し、実証実験により安全性や円滑性の観点から効果検証を行った。結果、右折レーンのない交差点など直進阻害が生じ信号の青時間が有効活用されていない箇所においてはサイクル長の短縮により、渋滞緩和や事故の危険性低下が確認された。一方、生活エリアへの抜け道利用の抑制効果については十分な効果がみられず、利用者への効果周知や生活道路への物理的デバイスの同時整備の必要性など今後の課題として確認した。
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