本研究は、インドネシア
地域研究
や環境教育に携わっている若手研究者が中心となり、これまで国内外で関わってきた教育・研究活動を踏まえ、
地域研究
を活かした環境教育プログラムについて議論した結果を分析するものである。2017年8月下旬から10月上旬にかけて、インドネシアと日本において大学生のべ43名、サポート教員のべ9名が関わって実施した環境教育プログラムを事例として、参加者全員で議論を行った。その結果、①
地域研究
の視点を活かした環境教育プログラムは、地域社会のステークホルダーとの協働のもと、環境問題の背景にある社会・文化・生態等の要因も含めた学習の機会を提供できる、また②
地域研究
のもつ地域社会で直面した出来事を分析に取り込もうとする視点が、柔軟なスケジュールによるより実践的なプログラムにつながるなどの特徴があることが明らかとなった。また
地域研究
を活かした環境教育プログラムは、地域の課題に関する既存ガバナンスの突破口となる可能性、また地域社会のステークホルダーが地域の課題に取り組むための試行錯誤の機会として活用できる可能性が示唆された。
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