1980年代から家庭用ゲームを中心に急速に普及したビデオゲームは、プレイによる消耗や新製品への代替わりによる陳腐化が懸念されており、四半世紀以前に発売されたゲーム機本体およびパッケージ化されたゲームソフトのうち不具合なく作動するものの確保は今後ますます厳しくなると想定される。ビデオゲームの保存としてマイグレーションやエミュレーションなどが急務とされるなか、その前提として実物保存もまた不可欠である。本稿では博物館における資料保存の観点から、ビデオゲームの劣化要因と対策、保存環境ほか実物保存の方法論について述べる。
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