本論考は「コンテンツツーリズム」を通じて「フクシマ」の可能性を広げることを目的としている。同時に、「フクシマ」を通じて「コンテンツツーリズム」の可能性を広げることも意図している。
前半では「コンテンツ」や「ツーリズム」について「フクシマ」から再検討を行い、「作品」に限定しない「コンテンツ」と、現地に行かない(行けない)ツーリズムの重要性を指摘する。後半ではそのケーススタディとして「フクシマ」に関する漫画作品として、鈴木みそ『僕と日本が震えた日』、山本おさむ『今日もいい天気 原発事故編』、雁屋哲『美味しんぼ 第110巻、第111巻 「福島の真実」編 1、2』、竜田一人『いちえふ 全3巻』をとりあげ、「フクシマ」に関する物語世界(ノンフィクションも含む)を抽出し、どこまで現実のツーリズムに接合できるのかを検証する。
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