近年のダイオキシン類対策のための規制および2000年の三宅島噴火による埼玉県のnss-Cl
-沈着量に対する影響について,1987 - 2007年度の観測結果(気象要因が例年と異なる1999年度を除く)から検討を行った。
nss-Cl
-沈着量は,1980年代後半は増加傾向にあったが,1991 - 1994年度をピークとしてその後急激な減少の傾向を示した。埼玉県内の焼却施設数は1996年度以降著しく減少した。三宅島が噴火する前の1998年度のnss-Cl
-沈着量は,1993年度の約40 %まで減少していた。nss-Cl
-沈着量と大気中のダイオキシン濃度は有意な関係にあり,ダイオキシン濃度の低下とともにnss-Cl
-沈着量も減少していた。
埼玉県内の2000 - 2002年度を合計した三宅島火山由来のnss-Cl
-平均沈着量は4.2 meq m
-2と推定された。三宅島からの距離が小さいほど沈着量が大きくなる傾向がみられ,西部山地部や北部に存在する地点で沈着量が小さくなっていた。
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