2005年の高校化学グランプリニ次選考課題は,これまで実施されていない領域から「有機定性分析」を選んだ。時間的制約を考えて,正確な操作は必要だが実験作業そのものは難しくならないように工夫した。むしろ,『どのような順序で定性分析を行い,その結果をどのように演繹して次の実験につなげていくのか 』 に関するシナリオを考えること,すなわち実験計画法をも問いかける課題となるように配慮した。全ての手順があらかじめ指示されている実験に慣れた高校生諸君にとって,「シナリオがないこと」は難しく感じられたようであった。(a)一次得点〜ニ次得点,(b)全得点〜一次得点,(c)全得点〜ニ次得点の3つの図を作成すると,(c)のみが良い相関をみせた。
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