目的 日本薬科大学の平地林と、東京大学秩父演習林を調査・比較し、奥秩父の森林にどのような問題が生じているのか調べる。
仮説 日本薬科大では草食動物による食害がないので低木層から草本層にかけて植物が豊富にあるが、秩父の森林では草食動物によって食べられてしまい低木層から下の植物はあまりみられないのではないか。
調査方法 10メートル四方のコドラート中の植物のうち高木、亜高木層の樹木については胸高直径を測定し種名を特定した。低木、草本層の植物については樹高を測定し種名を特定した。日本薬科大で行った調査では各層ごとに比度を求め、奥秩父で行った調査ではどの位葉を広げているのか調査した。
結果 ①秩父の森林は低木層から草本層にかけて植物が少ない。②薬科大の森林は高木層~低木層にかけてコナラの木があり種数も豊富。
考察 秩父の森林は、薬科大の森林に比べ低木層の数が極端に少ない。低木層がない原因は特定できていないが、シカ等による食害の可能性が考えられる。今後シカの駆除を行うことや、柵やネットで動物が入らないようにすること、カバーで若い芽や低い木を守るなど、これ以上悪化させないようにする必要がある。
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