本研究は、公共空間における芸人の練習活動による滞留について活動場所の空間特性と芸人の他の利用者に対する配慮意識を明らかにすることを目的とした。現地調査及び芸人と公共空間の管理者に対するヒアリング調査から、他者との位置関係の違いから芸人の類型化を行い、配慮意識や空間の選定理由などを分析した。48組中34組の芸人が人目につきにくい隙間空間で活動を行うこと、一方で複数の芸人が密集する場合は、隙間空間だけではなく人目につきやすい空間も選好されることが明らかになった。一方で、芸人の密集により一般利用者に対する配慮意識の欠如が生まれる懸念も示唆された。
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