日本人はさまざまな困難に立ち向かい克服している。そこで有用な人の内面的資質をリベラルアーツ視点でまとめた。まず、我慢、忍耐である。日本にはその精神が根づき、アジア・太平洋戦争も含めさまざまな場面で支えとなってきた。次に、必死の思いである。死ぬ気、死に物狂いの語が象徴的で、士気を高めてその能力を最大限引き出すことができる。3番目に、勇気である。これは洞察と決断の力である。英雄ならずとも勇気の構造を理解すれば発揮できる。4番目に、前向き思考である。現実的楽観主義や老子の無為自然の思想の活用である。5番目に、教育で磨かれる倫理・理念である。想定外時こそ日ごろの教育で差が出る。最後に、超自然の活用力である。日本には古くから天道思想があり、現代人も含め非科学的でスピリチュアルなものを大切にし、大きな力を得てきた。なお、これら各精神的要素が重要だからといって、それのみになる極限的精神論は否定されねばならない。
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