インターネット上で多くの手遊び歌の動画が配信されているが,原曲から変化した形で伝えられているものが多い。変化した曲を調べた結果,音域が狭まり平坦な旋律になっていることやリズムが単純化していることなどの特徴が見られた。そして,それらの特徴によって変化形が子どもにとって歌いやすく覚えやすい曲になっていることも確認できた。これらの結果を踏まえ,手遊び歌が「遊び」の中で変化するのは自然であるという見方を示したうえで,インターネット上で子どもとのやりとりを経ずに動画の拡散によって変化していることを問題点として指摘した。さらに,手遊び歌が子どもの育ちにとって価値ある保育教材となるには,手遊び歌を保育教材として研究する姿勢や子どもの育ちとの関連をとらえる視点が重要であること,インターネットリテラシーを学ぶ必要があることを述べた。
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