由来の異なるアユ3品種205~220日齢魚を用い,異なる馴致温度に対する耐性温度を指標として温度適応力を比較した。耐性温度には品種間で明らかな差異が認められ,15~23℃に馴致した場合の臨界最高・最低温度の平均値は,海系29.7~32.2℃,2.5~6.0℃,琵琶湖系28.7~31.7℃,2.3~5.3℃,瀬戸川産人工陸封型29.7~33.0℃,1.7~5.0℃および初期致死温度から算出した温度耐忍領域は海系481℃
2,琵琶湖系415℃
2,瀬戸川産人工陸封型517℃
2となった。これら3品種は,孵化後同一環境下で飼育してきたことから,アユの温度適応力には品種差が存在することが示唆された。
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