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クエリ検索: "大城雪乃"
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  • 長嶺 元昭, 大城 雪乃, 高良 秀
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 624
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】人が立位姿勢を保持する上で、直接大地に接するのは足底のみであることから、足底からの感覚情報は重要な役割を果たしている。大久保らは足底圧刺激を増加させると、求心性インパルスを増加させ体動揺処理機構に有効に働き、静的立位の重心動揺面積、動揺距離、動揺速度が減少したと述べている(耳鼻臨床第72巻第11号、1979年。)。
    そこで今回、足底刺激量を増加させることで触覚および動的バランスにどのような影響があらわれるかを検討した。
    【方法】足底刺激は塩化ビニール樹脂製の約1~5mmの突起が付いた靴中敷(以下、中敷)を使用した。FRT値測定には、コの字型をしたスタンドの上方のパイプにメジャーを貼り付けたものを使用した。
    重心動揺の測定には、Twin Gravicoder G-6100 (アニマ社製)を使用し、総軌跡長、外周面積、矩形面積、X 方向軌跡長、Y 方向軌跡長を算出した。
    対象は運動器疾患および中枢神経・抹消神経疾患がない健常者39名(男性19名、女性20名)で、平均年齢が21.54±4.6歳。
    測定方法は、足底へ刺激を与えない場合と中敷上に1分間立位を保持させた直後のFRT値を測定し、その際の重心動揺を計測した。また、足底の触覚の検査にはセミスワインスタインフィラメントを使用し、母趾球を測定部位とした。
    統計学的解析は、刺激前後の感覚検査の値及び、FRT 値、重心動揺計で算出した7項目とも、対応のある t 検定で比較検定した。
    【結果】触覚検査では、刺激前は触覚閾値1.08±0.63gであったが、刺激後は0.87±0.6へと有意(p<0.01)に減少した。また、FRT 値は刺激後で有意(p<0.01)に増加した。さらにFRT時の重心動揺測定では、足底刺激ありで総軌跡長、XおよびY方向軌跡長、外周面積が有意に(p<0.05)増加し、矩形面積も有意(p<0.01)に増加した。
    【考察】大久保は、前述したように足底刺激が体動揺処理機構に有効に働くと述べており、また望月は、バランス機能を重心動揺と重心移動域の関係性から、健常者は重心動揺が小さく、重心移動域が大きい安定型と述べている(PT ジャーナル第30巻第5号、1996)。すなわち、今回測定した総軌跡長とX 方向軌跡長、Y 方向軌跡長を重心動揺と捉え、外周面積、矩形面積を重心移動域の要素と捉えることができる。
    したがって、中敷での刺激は、触覚閾値を低下させ、足底部の触覚受容器を活性化させた点と、FRTにおいて重心動揺と重心移動域を相対的に拡大させ、その値を有意に増大させたと考えた。すなわち、足底刺激は、バランス制御を担う受容器および効果器を活性化させ、求心性インパルスを増大させ、バランス機能を向上させたと考えた。
    今回は、短時間刺激の即時効果を検証したが、今後は長時間の長期的な効果を追究したい。
  • 冨樫 満希子, 後閑 浩之
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 623
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    足底感覚が立位安定性に寄与することは既知である。脳血管障害者の足底感覚障害の程度は、Stroke Impairment Assessment Set(以下SIAS)の下位項目やVisual Analogue Scale(以下VAS)で評価されることが多いが、SIASは定性的評価であり、VASは定量的だが患者の主観に左右されやすい。そこで、手部の末梢神経障害の評価として使用されているSemmes-Weinstein Monofilaments(以下SWM)を用い、定量的で患者の主観に左右されない足底感覚検査に活用する方法について検討した。
    【方法】
    対象は同意の得られた健常者10名(男性5名、女性5名)で、平均年齢は24.9±2.91歳であった。測定部位は左足底の前足部(母趾球内側の皮膚が柔らかい場所)と土踏まず(足底の中央部)とした。測定には酒井医療製SWMを使用し、皮膚に垂直に1.5秒間押し当てる方法で、同一場所への3回施行を1セットとし、1回でも応答があれば感知できたと判定した。この時、被検者にはアイマスクを装着し、2分間の安静端坐位をはさんで、左下肢を台上に乗せた肢位で同一検者が3セット測定した。また、2つの音環境条件として、サイレンシア製耳栓とペルター製防音用イヤーマフ(H510A)を装着し音を遮断した設定と、何も装着せずにラジオが流れている環境を設定し、それぞれ別の日に測定した。
    感覚検査の3セット一致率はカッパ係数を算出し、音環境による測定値の差はWilcoxonの符号付き順位検定を行い、有意水準は5%未満とした。
    【結果】
    前足部、土踏まずともSWM番号は2.36~4.08の間に分布し、最頻値は前足部3.61、土踏まず2.83であった。3セット施行のうちSWM番号が全て一致する例から5本の範囲にまたがる例まであった。
    3セット繰り返したSWM番号のカッパ係数は、「遮音有」前足部で0.36、「遮音有」土踏まずで0.26、「遮音無」前足部で0.20、「遮音無」土踏まずで-0.06であった。次にSWM番号を色別に集約したカッパ係数は「遮音有」前足部で0.77、「遮音有」土踏まずで0.52、「遮音無」前足部で0.32、「遮音無」土踏まずで0.36であった。「遮音有」群では1セット目と2・3セット目の測定値に差が出る傾向があった。また、遮音の有無による群間比較には有意差を認めなかった。
    【考察】
    音環境によって測定値に差は認めなかったが、「遮音有」の方が再現性が高いことから、本測定は静かな環境で実施することが必要と考えられた。しかし、その環境下でも番号別の一致率は低く、色別に集約するとカッパ係数の向上を認めた。感覚は足部と手部ではその閾値に差があり、SWMは手部での感覚検査を目的に開発されている。したがって、足底に使用する際には、静かな環境で1セット練習した後に測定し、番号ではなく色分類にて解釈することで信頼性が高くなると考えられた。
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