鉄道では,降雨災害が発生する恐れがある場合には,列車の安全性を確保するために,運転中止などの運転規制が行われる.しかしながら,降雨災害は,運転規制の発令前に発生する場合がある.鉄道の安全性の更なる向上のためには,これらの災害に対して対策を講じることが重要である.本研究では,これらの降雨災害のうち,自然斜面の崩壊の一事例に着目した.そして過去に発生した強雨に対する斜面の安定性について,物理モデルを用いて定量的に評価した.またさらには,崩壊の捕捉性向上のため,降雨流出解析から求めた貯留高に基づく危険度評価指標を提案し,斜面安定性との関係を分析することにより,その有効性を示した.
抄録全体を表示