本研究では圃場整備事業が進行している豊能町高山地区を対象に,居住者と来訪者の視点の違いからみた棚田景観の視覚的特徴を示し,棚田景観の保全に資する知見を得ることを目的とした。居住者と来訪者で認識されている景観構成要素は共通性が示された。一方,視点や評価軸に差異が見られることが分かった。棚田景観の保全のためには,居住者が重視する田,来訪者が重視する山並みや農村景観を含めた空間整備が重要となる。本研究の知見の活用によって,主要な視点場から視認可能な景観の保全や,景観計画や各種制度の充実化も有用となる。
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