徳島県横野谷流出試験地で観測した水文水質データに,簡易なタンクモデルLQ法を適用して得た解析結果から,同試験地の溶存イオンの流出特性について考察した.その結果,溶存物質はいずれもマイナス収支で,横野谷流出試験地に関しては,溶存イオンの大きな流出源となっていることが分かった.特に遅い中間流出の役割が大きい.またNO3-のように表層土壌に多量に蓄積されている物質であっても,長期的には表面流や中間流が少ないことから,年間物質収支を計算すると,全ての土壌層からほぼ同等の負荷量が流出しているという興味深い結果を得ることができた.
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