症例は78歳女性.平成23年3月初旬頃より上腹部痛あり近医受診,腹部超音波検査にて胆囊の腫大および壁肥厚を認めたため,当科紹介となった.精査の結果,胆囊癌の診断となり胆囊摘出+肝部分切除(S4a/S5)術を施行した.手術所見では20×20mm大の結節浸潤型の腫瘍であり,胆囊内には結石を認めた.病理所見では中分化型管状腺癌を主体とし,一部に小集塊を形成する神経内分泌細胞癌を認め,同部は免疫染色の結果CD56(+)・Chromogranin A(+)・Synaptophysin(-)でありMixed adenoendocrine carcinomaと診断,pT3(se)pN1(#12b)pStage Ⅲであった.術後10カ月経過した現在無再発生存中である.胆囊原発の悪性腫瘍の殆どは腺癌であり,神経内分泌腫瘍は稀である.今回われわれは胆囊原発腺内分泌細胞癌の一例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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