糖加重炭酸型透析液の2剤濃縮液型 (原液型) と2剤ドライ型 (ドライ型, 自動溶解希釈装置を使用) との2種類の薬剤を用いた時の透析液作業 (運搬, 透析液調製, 空容器搬出) を, 人間工学的に比較検討した. 対象は1日に原液使用量55セットを使用する腎臓病センター (透析用ベッド93床, 透析患者280例) で働く臨床工学技士5名とした.
ドライ型の使用量は原液型に比し重量で1/6.7, 容積で1/3.5であった. 臨床工学技士の一日の作業時間を100%とした時の実作業時間は85.9%であり, そのうち透析液作業時間は原液型23.1%, ドライ型6.0%であった. そして, その時の運搬移動距離でも原液型928m, ドライ型263mとドライ型の優位点が示された. 身体への負荷に関する比較では, 透析液作業中の8工程で, 原液型での心拍数がドライ型でのそれに比し有意に高値であった. 以上より, 原液型での透析医療作業の阻害の程度が明らかとなり, ドライ型によるそれらの軽減効果が期待された.
抄録全体を表示