【目的】知的障害特別支援学校における外部専門家 (言語聴覚士; ST) の介入効果と, 外部専門家と教員の連携における利点と問題点について検討する. 【方法】研究1では, 外部専門家が介入した, コミュニケーションに問題を抱える事例について検討した. 研究2では, 外部専門家と教員を対象に, 双方の連携に関するアンケート調査を実施した. 【結果】研究1では, 外部専門家と教員の連携のもと, 事例に対して約半年間言語指導を行った結果, 言語発達検査の得点上昇が認められた. 研究2では, 「外部専門家の助言の結果, 児童生徒に好ましい変容が認められた」という教員の意見や, 「介入効果が把握しにくい」という外部専門家の意見が得られた. 【結論】外部専門家の介入効果を実感している教員がいる一方, その裏付けとなる客観的データが十分でないことも明らかとなった. 研究1のように外部専門家による介入効果の客観的検証が必要と考えられた.
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