バウンドラバー生成について, その基礎的知見を得る目的で, まず, 高ストラクチャーをもつHAFやISAFなどを選び, それらの粒子表面における過酸化ベンゾイルの分解能力の差異を比較検討した.
ついで, ブラック表面からスチレンなどをグラフト重合させ, そのトルエン分散液を遠心分離して, この種の市販品中にも孤立した粒子や低ストラクチャーのものが多量に含まれていることを知った.それゆえに, ゴムとの混練り過程中に, ストラクチャーの破壊をしらべるには, やや困難性のあることを指摘し, ここに, ほとんど低ストラクチャー部分を含まないブラックの試作品を取り上げ, そのスチレングラフトポリマーのトルエン分散液をロールにとおした.実験の結果によると, ストラクチャーの破壊がみごとに示され, バウンドラバー生成の因子としては, 粒子表面の反応のみにとどまらず, 粉体の新しい破壊面もまた関与しているであろうことを示唆した.
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