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クエリ検索: "小野智彦"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 井合 渉, 南雲 美也子, 田中 宏明, 德田 華子, 矢嶋 紀幸, 小野 智彦, 片山 隆晴, 松村 圭祐, 配島 功成, 工藤 樹彦, 鈴木 雅裕
    心臓
    2018年 50 巻 8 号 929-933
    発行日: 2018/08/15
    公開日: 2019/08/23
    ジャーナル フリー

     症例は71歳,女性.大動脈弁輪拡張症による大動脈弁逆流で経過観察されていた.定期的心エコー図検査で,大動脈弁逆流重症度,左室機能に変化はなかったが,逆流が当たるS字状中隔に可動性に富む5 mm大の構造物が認められた.検査帰宅後より発熱し,倦怠感,微熱が持続したため当科を受診し,感染性心内膜炎が疑われ入院となった.血液培養でStreptococcus mutansが検出され,眼底にRoth斑を認め感染性心内膜炎と診断された.抗菌薬投与開始後48時間で血液培養は陰性化,炎症所見も改善し,経過観察の心エコー図検査でも大動脈弁逆流の増悪は認めず,疣腫の縮小が確認された.弁輪径17 mm,バルサルバ洞径48 mm,sinotubular junction(STJ)46 mmと大動脈基部から弓部40 mmと拡大し,中等度以上の大動脈弁逆流を伴い,左室拡張末期径/収縮末期径52/33 mm,EF 65.9%であった.しかし,S字状中隔のjet lesionに感染性心内膜炎再発と大動脈弁輪拡張に伴うeffective height上昇で生じる大動脈弁逆流で,左室は経年的に拡大傾向であること,加齢に伴い手術のリスクも高くなることを考慮しBentall術と部分弓部置換術が施行された.弁膜症に合併する感染性心内膜炎では,逆流jetが当たる弁尖,弁腹を中心にしたjet lesionに疣腫を生じることが多いと言われている.今回,S字状中隔という形態的特徴のため,偏位のない大動脈弁逆流が当たるjet lesionのみに疣腫形成をみた弁膜症症例を経験したので報告する.

  • 中根 登喜子, 坂本 宗久, 石井 総, 小野 智彦, 池上 幸憲, 前淵 大輔, 布施 淳, 縦山 幸彦
    心臓
    2008年 40 巻 12 号 1132-1136
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は34歳,男性.午前9時40分,テニス中に突然意識消失し,偶然居合わせた医師が心肺停止状態を確認し,すぐに心肺蘇生術(cardiopulmonary resuscitation;CPR)が開始された.9時46分に到着した救急隊にて自動体外式除細動器(automated extemal defibrillator;AED)で除細動が施行され,自己心拍が再開した.当院救命救急センターに搬送され,脳保護目的に低体温療法が開始された.48時間で復温した後は意識障害を認めず,頭部CT検査や神経学的な評価でも明らかな異常を認めなかった.入院後の心電図モニタリングでは重篤な不整脈を認めず,心室細動の原因疾患検索のため,心臓カテーテル検査を施行した.左室造影は正常で,冠動脈造影では有意狭窄を認めなかった.しかし,アセチルコリン負荷にて冠攣縮が誘発され,冠攣縮性狭心症と診断された.その後,心臓電気生理学的検査も行ったが心室細動は誘発されなかった.アムロジピン5mgおよびジルチアゼム徐放剤100mgの内服が開始され,第23病日に退院となった.退院後は胸部症状なく,完全社会復帰している.本症例は,冠攣縮性狭心症の発作に伴う心室細動によって心肺停止となり,バイスタンダーCPRにより完全社会復帰し得た貴重な1症例と考えられた.
  • 石井 聡, 布施 淳, 鈴木 優実, 久保田 芳明, 小野 智彦, 池上 幸憲, 前淵 大輔, 坂本 宗久, 樅山 幸彦
    心臓
    2010年 42 巻 11 号 1444-1449
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/04/24
    ジャーナル フリー
    症例は87歳, 男性. 主訴は失神. 歩行中に突然意識消失し転倒したため救急要請あり, ショック状態とのことで当院救命救急センターに搬送された. 来院時, 意識はほぼ清明であったもののショック状態は持続していた. 顔面外傷, 左外耳道からの出血あり. 心電図上, 完全房室ブロックで心拍数40/分, II, III, aVF, V4R~6RでのSTの著明な上昇があり, 心エコーでは下壁の壁運動低下に加え右室の壁運動低下も認め, 右室梗塞を合併した下壁梗塞と診断した. 顔面外傷があり, 右外耳道, 口腔からの出血を認めていたため頭部CTを撮影したが, 頭蓋内に明らかな出血はなく, 緊急冠動脈造影施行. 右冠動脈近位部に完全閉塞を認めた. 経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)を施行し再灌流後, 徐脈は改善したものの, カテコラミン投与下においてもショック状態は持続した. 外傷による大量出血のため, それまで使用を控えていた大動脈バルーンパンピング(intra aortic balloon pump; IABP)を挿入したが, 依然血圧は低値のままであった. 術後より確実な抗凝固療法が必要となるが, 救命のためにやむを得ないと判断しPCPSを挿入. 血圧の安定を得たが, PCI術後経過中外傷性出血のため合計12単位の赤血球輸血を要した. その後循環動態は順調に回復し, 独歩退院した. ショックを伴う右室梗塞は, 早期再灌流療法に加えてPCPSによる補助循環を含めた集学的治療を念頭に, 治療戦略を検討すべきと考えられた.
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