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クエリ検索: "山下弥生"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • 池上 八郎
    関西病虫害研究会報
    1992年 34 巻 17-28
    発行日: 1992/05/01
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    1. 前報3)で示した変法MS培地を標準培地として用い, 25℃の連続照明下で外植体と感染カルス組織を培養した。初代培養において, 培養日数が10から40日へと増すにつれて, カブ病根からの外植体は淡黄色から黄褐色, 竭色へと, また外植体から生じた感染カルス組織は白色から淡黄色, 黄褐色, そして褐色へと変色した。また褐変の遅い明所の感染カルス組織の生育は暗所より良好であった。
    2. 培養20日の外植体から生じた感染カルス組織の4部位における菌の発育は小形の変形体から休眠胞子の種々な発育段階が観察され, 菌は感染カルス組織の全体に分布していた。培養20日の感染カルス組織における菌のあるカルス細胞のほとんどは変形体, 35と50日後で休眠胞子のある細胞は過半数となった。またこれらからの感染カルス組織での菌のある細胞率は10~16%であった。培養20日の感染カルス組織での変形体のあるカルス細胞率は92%ときわめて高く, 40と60日後では休眠胞子のある細胞はおよそ半数に増加した。培養50日の感染カルス組織内休眠胞子数は老化病根内のそれのおよそ1/10かそれ以下であった。また感染カルス内休眠胞子数は培養20日で少なく, 40と60日後で明らかに多かった。これらの休眠胞子数は生重1g当たり107~108であった。
    3. 培養50日の感染カルス組織と老化病根から得た休眠胞子による感染根毛数は乾土1g当たり103, 105および107の菌濃度の増すほど多くなったが, 病根休眠胞子では明らかにより多かった。根毛感染と根こぶ形成による発病はカルス休眠胞子の105と病根休眠胞子の103とはほぼ同程度であった。培養20, 40および60日の感染カルス組織内休眠胞子による主根根毛内の遊走子のう集団数は培養60日が最も多く, この感染カルス組織内休眠胞子の103, 104および105での遊走子のう集団数は病根休眠胞子のそれらのおよそ1/3, 1/3, 1/5で少なかった。培養65と75日の感染カルス組織を-20℃で65と125日間凍結保存後, これらからのカルス休眠胞子による根毛内遊走子のう集団数は103, 104および105で菌濃度の増すほど多くなり, 105でのそれは病根休眠胞子の10のおよそ1/2でかなり少なかった。つぎに培養65と75日の感染カルス組織を65, 125および180日間凍結保存し, これらからのカルス休眠胞子の乾土1g当たり103で根こぶ形成による発病がみられ, 発病率と発病度は菌濃度の増すほど高かった。培養50日の感染カルス組織を258日間凍結保存し, これからのカルス休眠胞子による発病を確認した。
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