Chlamydia trachomatis検出におけるpolymerase chain reaction (PCR) 法と酵素抗体法 (Chlamydiazyme
TM) との比較検討をおこなった. PCR法では, 242bpの
C. trachomatis DNAの増幅を認めた場合に
C. trachomatis陽性と判定した.Chlamydiazymeでは, 検体の最終吸光度をcut-off値にて除したcut-off indexを算出し, それが1以上の場合に
C. trachomatis陽性と判定した. PCR法では
C. tmchomatis 10
2コ/assayに相当するDNA量まで検出可能であるのに対して, Chlamydiazymeでは2.6×10
3コ/assayが検出限界であった.男子尿道炎患者の尿道擦過材料からのPCR法とChlamydiazymeとによるCtrachomatis検出結果の比較では, PCR法により74例中45例 (60.8%) が陽性と判定されたのに対して, Chlamydiazymeでは, 74例中41例 (55.4%) が陽性と判定された. Chlamydiazyme陽性例41例すべてでPCR法陽性であり, Chlamydiazyme陰性例33例中, 29例でPCR法陰性で, 4例でPCR法陽性であった. PCR法のChlamydiazymeに対する陽性一致率は100%(41/41), 陰性一致率は87.9%(29/33) で, 全体での一致率は94.6%(70/74) と高い一致率を示した. 以上より, PCR法は, Chlamydiazymeに比較し, より高感度の
C. trachomatis検出系であり, 尿道擦過材料を検出材料とした場合には, Chlamydiazymeの検出結果と高い一致率が認められ, クラミジア性尿道炎診断において特異性の高い有用な検出方法と思われた.
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