気管支粘膜に著明な結節形成を認めたサルコイドージスの3例を呈示するとともに, 当科におけるサルコイドージス130例の気管支鏡所見を検討し, 気管支粘膜生検の意義につき検討を加えた。症例1は, 気管支内に著しい結節形成を認め, 気管支粘膜生検にて類上皮細胞肉芽腫が検出された。眼病変に対しプレドニンを投与したところ, 結節はほぼ消失したが, プレドニン中止後再び多数の結節が出現した。他の2例も, 気管支内に多数の結節を認め, 気管支粘膜生検にて類上皮細胞肉芽腫が検出された。当科におけるサルコイドージス130例にのべ213回施行した気管支鏡所見では, 血管増生が75.1%(160/213), 結節形成が14.1%(30/213)に認められた。気管支粘膜生検は31回施行され12回(38.7%)に陽性所見が得られた。特に結節形成が認められた場合は19回中8回(42.1%)に陽性所見が認められた。気管支粘膜生検は経気管支肺生験(TBLB)に比し, サルコイドージスの組織所見の陽性率は低い。しかし, TBLBよりも安全で制約が少ない点を考慮すると, まず第1に気管支粘膜生験を行ない, 陰性例に対してTBLBを施行すべきであると考える。
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