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クエリ検索: "川瀬良子"
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  • *飯田 和明, 阿部 信行
    日本林学会大会発表データベース
    2004年 115 巻 P2026
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/03/17
    会議録・要旨集 フリー
    _I_. はじめに 近年、高分解能衛星が打ち上げられたことによって今まで解析が困難であった広葉樹の単木での樹種判別の可能性が出てきたと言える。樹種の判別が可能であるなら、画像上で樹種が特定でき、どのような樹種構成となっているのか把握することができる。そこで本研究では広葉樹の単木での樹種判別を中心に高分解能衛星が森林の動態を把握できるか検証を行った。_II_.調査地と調査方法 調査地は新潟県西蒲原郡巻町角田山で、角田山は冷温帯落葉広葉樹林帯と暖温帯常緑広葉樹林帯の境界領域に位置し、山塊の複雑さに伴う自然環境の複雑さも加わり、生物相は豊かである。角田山には原生林は見られず、そのすべては2次林で主に、スギ、マツ、竹の植林とコナラを優先種とする雑木林から成っている。 調査は5プロット取り、プロット内の全樹種と胸高直径を測定した。各プロットで数本選び樹高とDGPSとレーザーエースを用いて位置座標を測定した。その他に角田山周辺で単木を測定しこれをデータに加えた。_III_.使用データ 今回使用した衛星データは2001年に打ち上げられた高分解能衛星Quick Bird衛星を用いた。今回は2003年5月2日に撮影されたデータを用いた。解像度がマルチで2.44m、白黒のパンで0.61mと高い解像度を持つ。さらにこの二つを主成分分析で作成した高解像度のパン・シャープン画像を用いて解析を行った。_IV_.解析方法と結果単木で測定した広葉樹を50本選抜した。ここで今回はエドヒガンザクラとヤマザクラ、シナノキとオオバボダイジュは同属であることを考慮してサクラ、シナノキとして扱った。それぞれの樹木から1ピクセルずつ抽出して、バンド4、NDVI、パン画像でそれぞれ輝度値を算出し、一元分散分析を行った。この結果を表1に示す。3つの因子とも針葉樹とは1%有意差を検出することができたが、広葉樹同士ではあまりうまくいかなかった。今回広葉樹で結果が出なかった原因として考えられるのは使用した画像時期にあると思われる。今回使用した画像は昨年5月2日に撮影されたものであり、樹種の中には撮影時期より開花時期が遅いものも存在しており、またちょうどその時期に開花しているといったものが多かった。今回最も他の樹種と有意な差が出たサクラ(エドヒガンザクラ、ヤマザクラ)は他の樹種より開花時期が3_から_4月と早く、撮影時期にはちょうど花も散り、開葉が始まっている状態であったため、他樹種との差が出たのではないかと考えられる(表2)。葉の開葉している時期に撮影された画像を用いれば他の樹種間での差が多く検出され、より正確な樹種の判別が行えるものと推測できる。_V_.まとめ今回解析を行ってみて、広葉樹の単木での樹種抽出は難しいことがわかった。画像の撮影時期(5月2日)が広葉樹の樹種抽出を難しくしていると考えられた。もっとサンプル数を増やすことができれば、様々な生育条件下での解析が行えたので、高分解能衛星を用いれば単木の樹種抽出を含めた森林の動態把握を示すことができたのではないかと思う。
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