本稿は日記式調査法による情報行動の研究に対し、時間的連続性・断続性という観点を加えることを提案した。そのための基本的指標として最長連続行動時間、連続行動回数、短時間行動回数とその算出方法を示した。そして携帯インターネット利用とPCインターネット利用を題材とし、2013年に行なった日記式調査法による全国調査データを用いて実証的検討を行なった。デモグラフィック属性との関係についての分析から、情報行動の時間的連続性・断続性に着眼することで、従来の方法では把握できていなかった情報行動の実態を捉えられることを示した。また、さらに応用的な分析により、インターネット利用の習慣化がもたらす利用行動のパターンは携帯インターネット利用とPCインターネット利用とで異なることを示した。これらの分析結果にもとづき、情報通信政策のための社会調査データの応用可能性や、「インターネット依存」に関する問題について考察した。
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