目的
わが国の中山間地域の大半は農林業が盛んな地域であったが、現在では農林業の従事者が高齢化し、後継者も不足している。しかし、消費者の立場に立てば、食の安全・安心、地産地消の観点から地場の農作物に関心が高い。消費者と農業従事者との交流する場が存在することで、農業関連の販売者は消費者のニーズを把握し、新たな工夫によって地域の経済的効果が高まる可能性は高い。そのことが農業従事者の農業に対する意識向上につながり、中山間地域活性化の要因となると考える。今回は、自治体が仕掛けた農業交流連携拠点施設を地域活性化の「場」とし、そこに関わる農業従事者や消費者、行政、施設運営者を構成員として地域活性化の試みを実施している「トレッタみよし」を事例として現状を知見し報告する。
方法
農業交流連携拠点施設「トレッタみよし」の管理者である「(株)
広島三次ワイナリー
」の指定管理者に聞き取り調査を実施する。そこで、「トレッタみよし」が2015年に開業後、農畜産物、それらの加工品や商工品の出荷会員数や出荷量、及びレストランの利用者数、また、「トレッタみよし」での交流の現状を把握する。
結果
農業交流連携拠点を新設する段階では、行政が主体となって専門家に施設の設計やディスプレイの提案を依頼した。開業後、指定管理者である「(株)
広島三次ワイナリー
」により、「トレッタみよし」が田舎のオアシスとなるように消費者、及び生産者の目線に立脚して常に工夫を凝らしている。
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