本研究では,特別支援学校中学部,中学校特別支援学級および通常学級から入学する生徒が共に学ぶ特別支援学校高等部の家庭科の授業における教師の困難状況を把握するとともに,家庭科における特別支援学校中学部および中学校の特別支援学級および中学校の通常学級と,特別支援学校高等部「家庭」との接続の課題を明示することを目的とした。その結果,高等部には特別支援学校中学部,地域の中学校特別支援学級,地域の中学校通常学級からの入学者の割合は各学校によって異なるが,混在して授業が行われていた。高等部に在籍する生徒たちは,中学までに様々なカリキュラムのもとで家庭科を学習してきているため,高等部家庭科での学習において,生徒間で履修してきた学習内容が異なり,基礎的な知識や技能の習得に差がある等の困難状況が指摘された。そして,家庭科担当教員の意識改革の必要性などの3つの課題が示された。
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