(目的)IFN, Ribavirin併用療法の効果予測は,今だ不明な点が多い.今回,ウイルスが一度も消失しなかった無効例の遺伝子多型等の関与について検討した.
(対象)C型慢性肝炎患者でIFNα+Ribavirinを投与した66例を対象とした.IFNの効果は,持続消失(SR)32例,一過性消失(TR)16例,HCV消失せず(NR)18例で,TNF-α, TNF-β, IL10, MxA遺伝子の多型性部位に関して検索した.
(結果)Serotype 2型がNR例で有意に少ないが,ウイルス量は差を認めなかった.生体側因子として,F3以上の高度線維化群の割合がNR例に多かった.遺伝子多型に関しては,TNF-β genotypeのB2/B2保有率がNR例に多かった.
(結論)IFN, Ribavirin併用療法の無効例では,Serotype,肝線維化,TNF-β遺伝子多型などが関与している可能性が示唆された.
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