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クエリ検索: "後期江戸ことばの敬語体系"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 米澤 陽子
    日本語教育
    2016年 163 巻 64-78
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/04/26
    ジャーナル フリー

     本調査では,二人称代名詞「あなた」に関する日本語母語話者の使用意識を調べた。調査結果から,聞き手の社会的立場が上の場合は「あなた」はほとんど使用されず,対下位者・対同等者の場合でも,「まったく使わない」という回答の方が多いことがわかった。また,「あなた」の使用は,相手との社会的関係によってよりも,状況や場面によるところが大きいということが確認された。調査では「あなた」不使用の理由,またもし使用するなら,どのような場面でどのような相手に使用しうるのかも調べた。調査結果をもとに,現代日本語における「あなた」という言葉の本質的な機能,それが社会文化と切り離せないコンテクストとの関わりにおいて,どのような役割を持ち,どのように認識されるかというメカニズムを考察した。

  • 佐藤 志帆子
    日本語の研究
    2008年 4 巻 2 号 13-28
    発行日: 2008/04/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    近世末期下級武士とその家族の日常会話における言語実態を知りうる『桑名日記』を対象として、日記の内容や桑名藩の分限帳からわかる人物の属性と関わらせながら「来ル」を意味する尊敬語の使用実態を考察し、近世の武家社会における待遇表現の一端を明らかにした。その結果、『桑名日記』にみられる日常的な会話場面における「来ル」を意味する尊敬語は、御出ナサル・ゴザラシル・ゴザル・来ナサル・来ナルの5形式であることがわかった。そのうち前者の3形式は(ア)相手との社会的関係によって使い分けられる尊敬語といえる。一方、後者の2形式は(イ)相手との社会的関係に関わらず使用される尊敬語といえ、身内や親しい間柄の打ち解けた場面で使用される。また、これらの尊敬語より待遇価値の低い語として基本形来ルがある。この基本形来ルは、上記の5形式が使用される人より下位の人に使用される。
  • 山本 志帆子
    社会言語科学
    2010年 13 巻 1 号 109-122
    発行日: 2010/08/31
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,近世末期下級武士とその家族の日常会話における言語実態を知りうる『桑名日記』を対象として,そこにみられる命令形による命令表現の運用実態を社会生活との関わりから捉えようとしたものである.本稿では,日記の内容や桑名藩に残る歴史的な史料から属性や場面の性質といった待遇表現の使い分けに関わる要因を把握し,そのうえでそれらの要因と関わらせながら命令形による命令表現の運用実態を分析した.その結果『桑名日記』には,日常会話における命令形による命令表現として,御〜ナサレマシ,御〜ナサレ,ナサレ,ナレ,ヤレ,[敬語動詞連用形]+マシ,[普通動詞命令形]があり,次のように場面によって使い分けられていることがわかった.すなわち,【ア】礼儀を必要とするような改まった場面では御〜ナサレマシ,[敬語動詞連用形]+マシ,御〜ナサレが用いられる.一方,【イ】親しい間柄の打ち解けた場面では,ナサレ,ナレ,ヤレが用いられる.そのうちナサレは,親しい間柄の中でも一定の礼節を必要とする近しい人に対して用いられ,ナレ,ヤレは親しい間柄の中でもより近しい人に対して用いられる.さらにナレとヤレは上下関係によって使い分けられ,具体的な形式をみると「ナヘ」「ヤヘ」「ヤレ」がそれぞれ上位,同等,下位の者に対して用いられる.また,これらの形式の下に位置する[普通動詞命令形]がある.
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