医用材料は,滅菌処理並びに表面の改質がなされているが,これらの材料が細胞に与える影響を検討した.すなわち,γ-線及びアルゴン(Ar)プラズマをポリスチレンに照射し,接触角により表面の物理化学的変化を測定するとともに,好中球様HL-60細胞が材料に接触した際に産生される活性酸素を,ルミノール依存性化学発光により測定した.ポリスチレンにγ-線あるいはArプラズマ照射を施すことで,接触角は減少し,表面の親水性化が確認された。又,ポリスチレンに接触した細胞から産生される活性酸素産生量に,照射による影響が認められ,好中球様HL-60細胞を用いた生物学的方法により照射したポリスチレン表面の微小な変化をとらえることができた.
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