III族窒化物半導体の結晶成長技術は,青色発光ダイオードの実用化から10年以上経過した現在でも多くの問題点を抱えており,よりよい成長プロセス技術の開発が求められている.原料を高いエネルギー状態で間欠的に供給するパルス励起堆積法を用いると,結晶成長の温度を室温にまで下げることができるので,薄膜/基板間の界面反応や混晶の相分離反応が抑制でき,これまで困難と考えられてきた積層構造を実現できる.本稿では,パルス励起堆積法の利用によって可能になる格子整合基板上や金属基板上への高品質III族窒化物の成長の例を中心に,この手法の特徴を説明する.
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