難しい入試を突破してきても, 自主性や考える力の弱い学生が最近増えたと懸念されている。現在の入試が, 知的能力の一部を試すにすぎず, 将来性を含めて選抜するシステムでないことが問題である。京大理学部でも, 数学や物理の得意な学生は選べても, それ以外の素質を持った学生はうまく選抜できていない。入試問題の作成に関しては, 相当の努力をしてはいるが, 限られた能力を試す以上のことは難しい。大学入試改善は難しいが, 全国の大学, 研究所の大学院は, 意欲と実力のある学生に対して, 開かれていることを知って欲しい。
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